土方十四郎の場合





「トシ、名前とどのぐらい付き合ってるんだ?」


土方スペシャルを食べていると横にいる近藤さんがいきなり話しかけてきた。
内容が内容だったものだから、土方スペシャルが喉につまり少しむせた。
そして、総悟が話しかけてくる。


「大丈夫ですかィ、土方さん。
やっぱりそんな犬のエサみたいの食べてるからでさァ。」


呆れ顔で総悟は言う。


「ちげーよ!土方スペシャルは悪くねェ。
にしても近藤さん、いきなり何かと思ったら…」

「いや、大事な事だぞトシ。
そろそろお前たちも結婚を考えたらどうだ?」






「結婚か…」


部屋で一人天井をみながら呟くと、


「土方さん、名前です。」


いつものように名前が部屋に来た。
生返事を返すと、名前が部屋に入ってくる。


名前に結婚について聞いてみようと思ったが言葉は喉まできて止まった。


なんだなんだ、なんかめっちゃ緊張してきた…


そう、いざ話そうと思うと緊張してきた。
俺はもちろん名前を愛しているし、結婚したいと言われればもちろん結婚しようと思っている。


…でも名前はどうだろうか。


俺の事は好きだと思う…
自分でいうのは恥ずかしいが、好きだから付き合ってるはずだしな?

だけど、結婚はちょっと…
とか、言われたら?


そう考えるとなかなか言い出せない。


「土方さん…?」


名前はずっと黙り込んでいる俺を不思議に思ったのか話しかけてきた。
俺は我にかえる。


「ああ、すまない。ちょっと考え事だ。」

「悩みがあるならなんでもおっしゃってくださいね?」

「じゃ…じゃあ名前は…けっ…けっ…」

「け?」


小首を傾げる名前。
プロポーズじゃない、結婚についてどう思ってるか聞くだけなのにこんなに緊張するだと…?!



俺は深呼吸して


「結婚しよう!」


と、言った。
え、えええ?いやいや違う違う。
結婚についてであって、結婚しようって事ではなくて…


「ふふ…いいですよ。十四郎さん。」


でもかえってきたのはYESの返事。



「え…あの、本当に?」

「もちろん。」


そう言って彼女は微笑んだ。

俺は微笑む彼女を思いっきり抱きしめた。




back




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -