短編 小説 | ナノ



薄暗い空に 一つの白い結晶が舞い落ちて

地上を淡い雪色で染めて

やわらかい雪は 時をかけて消えてゆく


蹴散らされていく雪は 大きな穴をあけて

白とは対の色を見せる

時には 泥にまみれて

透明だったそれは いつしか色を変えていく


それでも 美しい結晶は

桜が踊る季節には

一つの欠片も残さず 土へと還る

吐息が白い 寒さをあらわすこのトキに

空舞う結晶は訪れる



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