雪
薄暗い空に 一つの白い結晶が舞い落ちて
地上を淡い雪色で染めて
やわらかい雪は 時をかけて消えてゆく
蹴散らされていく雪は 大きな穴をあけて
白とは対の色を見せる
時には 泥にまみれて
透明だったそれは いつしか色を変えていく
それでも 美しい結晶は
桜が踊る季節には
一つの欠片も残さず 土へと還る
吐息が白い 寒さをあらわすこのトキに
空舞う結晶は訪れる
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