ぼくが午後3時の花園へ向かおうとしたとき、きみは不安でいっぱいの両手を差し出してきたんだ。その手をどうしてほしいのかぼくはもう知っている。 ひどく曖昧な毎日の中に確かなものが一つだけ存在するのだとすれば、それはきみかもしれないと思う今日この頃だからこそ聴きたいんだ。 今にも泣き出しそうなのはぼくも同じだよ。こうしている間にもきみが見えなくなりそうで怖いんだ、だから聴かせて。 「わたしもいく、おいていかないで?」 その手を握った瞬間こそが花園だってこと、きみはまだ知らないんだね。