「小十郎、暇か?」
いきなり開かれた扉から、良く知る独特な低い声が聞こえた。 小十郎は 宿題の確認をする手を止めて顔を上げ、ずかずかと入ってきた人物を見やる。 「伊達…小十郎先生、だ」 「別にいいだろ?他の先生はいないんだしよ」 たしなめるような小十郎の言葉に、政宗はにっと笑ってこう返す。 たしかに今は二人きりだ。別にそこまで注意することも無いか、と小十郎はあっさり引き下がる。分かっていれば良い。 「教えてくれ」 政宗は右手に持っていた教科書の例題を指し示す。 「…ちょっと待て」 席を立ち、政宗の右隣に立つと、図を指し示しながら丁寧に解説してやる。 「ここはこうで…。政宗、聞いてるのか」 「ああ、もちろんな」 そうは言っても、にやにやしながら小十郎の顔の方を見ているのだから、聞く気がないのは明白で。 小十郎はため息をついた。 そもそもこの問題は昨日解説したばかりだ。 明らかに口実だった。 「Thanks.小十郎」 「はあ…」 小十郎のあまり長くはない解説が終わり、政宗はにっと笑って教科書を受け取る。政宗は上機嫌だった。 「小十郎!」 呼ばれたその名前に反応して顔を向けると、頬を固定され、唇を重ねられる。 「!?な、なにを!」 口内に侵入してくる舌に焦って身体を引き離すと、政宗は少し憮然とした表情をした。 だがそれもつかの間、小十郎の慌てた顔を眺め、ぺろりと意味ありげに唇を嘗める。 「ついでに教えてくれよ、小十郎」 mouth to mouthでな? それは聞いて無い。 「たまにはいーだろ、こういうsituationもよ」 政宗は全く悪びれた風は無い。悪戯っぽい笑みに、身体が弛緩した。 「仕方の無え奴だ」 唇に降ってくるキスを受け入れる。 甘く絡む舌に、脳髄が痺れる。理性は溶けて何処かに行った。 散々に味わい尽くした後、満足げに離れた唇。見つめ合う視線。 「愛してるぜ」 なんてさらっというものだから、小十郎は頬を赤く染める。 「俺も、だ」 政小で激甘、学パロ(生徒×先生)というリクエストでしたので… 小十郎は数学教師という設定です(一応)。 あまり甘くないかも…?でもわたしの文才ではこれで限界です…!すみません…! もしも、足りない!甘さが足りない!という場合は返品OKです… |