「おぉ!ブラック?」

 シャークかっけーだなんて目を輝かせている遊馬に、凌牙は気恥ずかしさを感じる。格好つけて飲んでいるわけではない。ただ甘ったるい砂糖やミルクがコーヒーの味を邪魔するのが嫌なだけで。

「…飲むか?」

「いや、いらないぜ」

 手元に視線を感じたので一応聞いてみるが、遊馬は首を振った。

「コーヒーのにおいは好きなんだけど、でも味の方は苦くて駄目なんだ。」

 あれってなんか大人の味!って感じがするんだよな、と笑っている遊馬はというと、ストローをオレンジジュースのカップに突っ込んでいる。シャークも飲むかと聞かれたが、断った。嫌いじゃないが、甘すぎる。
 
「姉ちゃんは結構コーヒー飲むんだけどな」

「そうか」

 どうやらコーヒーは遊馬の頭の中では"大人"の飲み物であるらしい。興味と微かな憧憬の滲む瞳で、遊馬はとりとめのないことを喋る。飲みたいけど飲めないもの、酒や煙草と同じだ。

「大人になったら美味しいって感じるのかな」

「…さぁな」








シャークさんと遊馬が飲み物飲んで会話するだけというやおいの典型例です。
監督ドリームと同じ現象だと思いますが、シャークさんはコーヒーはブラックで甘いものが苦手、みたいな少女マンガのヒーローみたいなイメージができあがりつつあります。
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