※現パロ 起きぬけに、窓を隔てて伝わる雨の音。これを聞くと、そわそわするようになった。 顔を洗って制服を着て、朝食を食べて家を出て、バス停に着く。それからのバスを待つ五分間、じっとしていながらも落ち着かない。 雨の日は嫌いだ。癖のある髪は湿気を含んで膨らむし、鞄の中の教科書を気にしなければいけないし。 それでも、雨の日には。 バスの姿が視界に入るころ、ばしゃばしゃと大きな音を立てて走ってくる音がした。 「遅いぞ」 「ふう、なんとか間に合った…!」 肩で息をしながら、ほっと息をつく姿に、思わず笑みが零れる。ぼさぼさの髪がさらに寝癖と湿気で酷いことになっている。あとで櫛をかしてやろうと思った。 「はち、おはよう」 「おう、おはよう!」 明るい声と太陽のような笑み。じめじめとした空気を吹き飛ばすような笑みに、俺の心臓はどくりと撥ねた。 バスが俺達の前に泊まったので、それに乗り込む。空いた席に座ると、当然のごとく隣に座る存在。 いつもはチャリ通の八左ヱ門が、バスに乗る日。 …最近、天気予報が気になる。 家から学校が7、8キロある場合って、同じ町内でも通学方法分かれますよねっていうネタです。 |