※現代パロ






 昇降口で靴を履き替えたところで、いきなり腕をつかまれた。誰かと思ったら、同じ委員会の兵太夫だ。普段そんなに仲が良いわけじゃない彼が、突然僕のところに来るもんだから驚いた。なんだよ、と問いかけてみたんだけど、無言のまま。なにかあったのかな、と思ったら、急に引っ張られた。

「えっなに!?」

 そのままぐいぐいと僕を引っ張って兵太夫は駆けていく。 

「どこ行く気なんだっ?」
「いいから」

 ついてきなよって有無を言わせぬ兵太夫の態度に、僕はため息をついた。こうなったら彼は僕の都合なんて気にしちゃくれない。
 前回はゲームセンターだっけ、その前はマクドナルドとかいうすごく不健康そうな料理屋だった。今回はなにする気だろう。
 昇降口に、送迎の車、来てるんだけど。今日は塾があるのにな。でもそういう罪悪感は、手を引く力強さに負けてしまう。怒られるし、心配されるし、僕には利益なんてないのに結局付き合ってしまうのだ。案外強引に連れて行かれるのも、悪いことをするスリルも、嫌じゃないって思ってしまう。
 ああ、帰ったらどう言い訳しよう。そんな事を思いながら、ずるずると引きずられて行く水曜日の放課後。








お坊ちゃん伝七を連れまわしたい。
伝七は特進クラスのお坊ちゃんで、普段は送迎の車で帰ってるんだけど、兵太夫に時々無理やり連れてかれる。買い食いとかゲーセンとか初めてだから、全てが新鮮で、校則違反とか嫌いなのにほだされかけてる。そんな学パロです。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -