Clap
感想などございましたらぜひ。




光速

「あのさ、フラッシュ」

首元にブーメランを持って平淡に声をあげクイックは戦闘相手に話しかけた。
「集中しろ、クイック」
「聞いてくれよ」
クイックの頭の上にはバスターがぴったりと密着している。
タイムストッパーを一瞬でも使われたら、クイックの命はもうない。
ボロボロでギシギシの体をすりあわせ、刹那の瞬間を狙い二人は愛しあうように見合った。
「あのさ、多分だけど、俺、お前のこと好きなんだよね」
「奇遇だな、俺もお前のことが好きだ」
「へぇ、どういう意味で?」
「どういう意味だろうな」

ぐぐぐ、と押し込まれたブーメランを片手で押し返しながらフラッシュはにやりと笑う。
「愛してるんじゃねェの」
「へぇ、じゃあ愛しあうか?」
「愛しあうって何だよ」
「殺しあう事じゃねぇの、ロボットなんだし、俺ら」
「圧倒的に俺が不利じゃねぇか」
「タイムストッパー使えばすぐなのにな、それとも俺が殺せない?」
「余裕」
「だろ?」

お互いの気持ちを確認して、理解したら。じゃあ、はじめましょうか。
最初で最後の愛しあい。






暁紅月
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