ごはんごはん
「おやぁん…?」
「あれぇー…?」

幼子のように、唇に人差し指の先を当てて首を傾げる青年。ここ数日で見慣れた顔ではある。

「こんばんは。いつものあの子はいないのかい?」

童女の姿をした、彼とよく一緒にいる彼女の存在を問う。最近、必ずと言っていいほど行動を共にしているというのに、どうしたのだろう。

「アノ子は幼稚園だよォ。ゴハン食べるんだってぇ」
「へぇ? 今日は椿の子が来るのかな」
「そうみたいだねぇ」

酷く無邪気に笑って何度も頷く青年は、やはり幼く見える。
私はそんな彼に笑みを返し、首を傾げた。

「それで、お前は何をしていたんだい?」
「ボクもお腹すいてねェ…ヒヒヒ」

無邪気な笑い声に伴って、不穏な空気が立ち込めた。…まぁ、うん、嫌な予感はしていたさ。

「アンタを、食べたいなァ…なんて」
「そんな事だろうとは思ったが…お前の狙いは、シン様によく似た彼じゃなかったかな?」
「そうだけどォ…アンタも食べたァい」

ぬぅっと、枝のように細い手を伸ばされる。
嫌だな、食べられたくはない。百歩譲って死ぬとしてもだ、悪食に食べられるよりは…

「シン様のようなあの人に消された方がまだマシだな、うん」

呟きながら手を避け、顔面に一発拳を入れてやる。

「ぎゃっ」
「出直しておいで」

悶絶している青年に更に一発蹴りを入れ、すたすたと通り過ぎた。




(困った事に口調がよくわかりませんでした)



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