眸を奪う
これのゼロ視点です。



ネオ・アルカディアの施設内部を駆け回る。向かってくる敵を斬り捨てる。
雑魚が多い、邪魔だ。

ミッションの目的が近付いてきた時、一際強い敵意を感じた。
だが俺がそっちを向いた瞬間、それは消えた。
その代わり、ではないが、呆気に取られた表情の女型レプリロイドがいた。

俺と視線が合うと、女ははっとして得物を構えた。途端に憎悪混じりの敵意が向けられる。
近くまで来ていたパンテオンを斬り、そいつを踏み台に跳躍する。
俺が振り下ろしたセイバーを女は受け止めた。俺の髪が流れ落ち、女の視点が一瞬だけそれへと向いた。
俺はその一瞬を逃さず、武器をセイバーからリコイルロッドに変えて振るい、女を吹き飛ばした。

壁に当たって止まった女が顔を上げる。
俺はロッドを構えたまま女に肉薄する。
ひゅっ、と聞こえたのは彼女が息を呑む音だったのか、俺がロッドを振るった音だったのか。
動かなくなった彼女を省みる事のなかった俺には、わからなかった。




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