衝撃的な二人の秘密大イベントを目撃した次の日。
わたしは体育館うらで、誉くんといました。
いえ、本当はつれさられたんです。
ちょっときれいに言っちゃってすみません。
だって、体育館うらですよ。
チキンハートなわたしは、ガラスのハートよりもろいんです。
もう壊れかけのギザギザハートです。
…すみません。
ただいま、大混乱してまして。
「…真田に聞いたんだけど。」
わあっ、近いっ、近いですよ誉くん!
トレンディドラマよろしく、壁際に追い込まれてます。
顔の横には、がっつり誉くんの両手があります。
どうしましょう。
どうやら怒り心頭な雰囲気ですが、いかんせん、いろいろたえられません。
「オレと三國が、キスしてたって思ったって?」
「いや、あの。」
「ねえみーこ。どーしてそう思っちゃうの?」
「いや、あの…どうしてって?」
なんだかよくわかりませんが、誉くん、泣きそうですが。
課題のときとは、またちょっとちがうみたいで。
「…誉、くん…?」
少しだけふせられた顔を覗きこもうとしたんです。
けど。
ちゅっ。
タイミングがいいのかわるいのか、誉くんがぱっと顔をあげたわけで。
「おあいこね。」
にやっと笑った誉くんが、なんだかすごく、男の子に見えて。
「…みーこ、鼻血でてるけど。」
うってかわって大爆笑した誉くんに、呆然としながらも、鼻血をぬぐったわたしでした。
…はじめてのちゅーって、こういうものですか?
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