どんな子だって可愛く見えてきます
「こんにちはー」
入るとドアベルがカランと鳴った。お客さんは私以外居ない。というより、誰も居なかった。おかしいなー……、帰り際に遊戯くんは「お店の手伝いがあるから」って言ってたのに。室内の照明はつけっぱなしだからお店は営業中だと思うんだけど、遊戯くんもおじいさんも姿が見えないし呼び掛けても応答ない。店の奥にいるのだろうか?
カウンターへ向かってみると、ある物影が見え隠れしていた。
茶色の毛に丸いシルエット、間違いない。あの後姿はクリボーだ!
後姿だけでもかわいいなぁクリボーはァ!ぎゅってしたくなる。
「クリボーちゃん」
そーっと近づき、ぎゅっとクリボーを抱きしめた。毛がモコモコとしててあったかい。可愛い。可愛さに夢中になってる所でクリボーが振り向いた。
なんということでしょう。
目が三個ある。
「名前ちゃん。いらっしゃい」
「いててててててっ、助けて遊戯くん!クリボーがやばい事になってる!」
クリボーが、鋭い歯で手の甲に噛みついて離れない!!!やばいってレベルじゃない。怖い、ホラーだ。いつもの愛らしい瞳は何処に行ってしまったんだ。代わりにグロッキーな目が3つもある。クリボーは何かにパラサイトされたの?パラサイトと言ったら蟲野郎。HAGAAAAAAAお前の仕業かああああ
「名前ちゃん!クリボーじゃないよ、クリッターっていうんだ」
な なんだってー(AA略)
「クリッター、間違えてごめんなさい」
はなされた手には見事な歯形がついた。血は出てない。
「今度から間違えないであげてね」
「うん」
すると、クリッターは私の肩に停まり顔をすり合わせた。やっぱりM&Wのモンスターは可愛い。
「遊戯くん、この子ちょうだい」
「だめ! 僕の仲間なんだから」
「ちぇー……わかったよ。 やっぱり自分でパック買って当てなきゃだめかぁ」
「そう言ってクリッターをバックに詰め込むのやめなよ」
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