本当にあった遅刻の理由
大変だー携帯がない。学校が始まる10分前の私には致命的だ。こういう肝心な時に紛失するんじゃないよ携帯。家の電話から携帯にかけてみるが着信音はどこからも聞こえない。まぁ万年サイレントモードにしてるから音鳴らないんだけどもね。
あ!あった!
やっと見つけた携帯は、物が溢れている棚にあった。捕獲完了、早く学校行かなければ。
時間を確認しようとさっき見つけた携帯を開いた。
「ああ違った。これモバホンだわ…」
間違えたZE。
もとあった棚へ戻す。あーもう、一体何処へやっちゃったんだろう。参ったなあ〜〜もう携帯諦めて家出るしか…
…………
……
「モバホン!?」
モンスターのモバホン!?
私の声に驚いたモバホンは、攻撃表示の姿に変形して逃げ出した。なんでこんな所に!?第一私はカードすら持ってないのに。あと何でナチュラルに具現化してるの。
「待てー!」
窓から逃げ出すモバホンを追う。何か忘れてる気がする。まぁいい
途中でモバホンを見失ってしまったので、あのカードを所持しているデュエリストの家へ向かった。ディホーマー使い、龍亞と龍可の家だ。インターホンを押すと龍亞が出てきた。なんか遊星も居た。
「名前?」
「どうしたの名前!そんな慌てて…」
「今、さっき、モバッ!モバげほ!げほっ!」
「モバゲー?」
違う!
「モバホンが…」
「え?モバホンって……、これの事?」
龍亞がディスクからデッキを取り出し、一枚のカードを私に見せた。それは紛れも無くさっき見た黄色いロボット。
「それ!それがさっき私の部屋に居たの!」
「………」
「…………」
遊星と龍亞は顔を見合わせた。再びこちらに向けた顔は悲しそうだった。なんだよ。何見てんだよ。
「…名前……頭打った?」
「打ってない…」
「見間違いじゃないのか?」
「いや…見間違いじゃない…触ったもん…」
もっと残念な顔をされた。断言しよう、私は確実に哀れな人って思われてた。私は龍可と同じく精霊が見える力も、アキさんのようなサイコパワーも持っていないのですから。
「モバホンェ……」
そして私は学校に遅刻した。
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