事後宗篠




シャワーを浴びてベッドに戻ってくると、篠塚はシーツにくるまってうつらうつらしていた。せめて下着と俺のシャツくらい着ろ、と言いたい。

「篠塚、服着て寝てろって言っただろ」
「んー、ぅん」
「そのまま寝たら風邪引くぞ」
「んーん」

話聞いてないだろお前。
目が八分目ほど下がった篠塚はもう夢の中へ。はぁ、とため息をついて、もう一度洗面所に戻りタオルを濡らして絞る。箪笥から白いYシャツを出し、ついでに床に落ちていた下着を拾う。今日の下着はレースの紫かー、なんて激しいセックスの最中とっとっと脱がせてしまう俺は、事後に篠塚の下着の色を確認するなんてしょっちゅうだ。
シーツで上手い具合に局部を隠しながら濡らしたタオルで身体を軽く拭いてやり、パンツを履かせる。上はシャツを羽織らせ胸の部分をなんとかシャツの中へおさめる。ブラジャーは付け方がわからないから、放置。

「やっと寝れる……」

篠塚が事後真っ裸で寝て風邪を引いた頃から、後始末がくせになった。快感を貪ったら、あとは頓着しないが篠塚らしい。
シーツにくるまった篠塚を抱き寄せて、彼女の長い髪を指に絡め、すく。するりと指からにげる篠塚の艶やかな髪を、いじれるのはこの時ばかりだ。いつも横に三つ編みをしていて、髪を結ばない彼女を見ないことはない。だから、こうやっていじれるのは、俺の特権だと思う。
髪をいじったり頬を撫でたり一人事後を楽しんでいると、篠塚が身じろぎし始めた。少しの間自分の収まる位置を探してうずうずしていたが、俺にぴったりとくっついて動きを止めた。それが可愛くて愛しさを感じて、額にキスを落とし、俺も眠りに落ちた。






∴事後の楽しみ
(眠ってる無防備なお前を見るのが好き)













20141124 騎亜羅
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