短編 | ナノ

 続・羅生門-03




一つ目、はしごを降りた際に足を踏み外して、実は死んでいた。


……ありえないなぁ。でも夜だし明かりもなかった。有り得たかもしれない。



二つ目、老婆の着物を売ろうとするが売れなくて一週間くらい生き延びるが、飢え死に。


……一つ目より可能性は大、だ。ボロい着物買うより食べ物買った方が生きていけるし。



三つ目、老婆の着物を売り、なんとか生きる。しかし着物を売ったお金も無くなる。そしてまた盗みを働いてしまう……。何回か繰り返す内に警察に見つかり、捕まる。END!


……現実味帯びてるけどおかしいよ!その頃の京都はさびれていたのだから、警察みたいなのも機能してないよ。
ていうか……警察っていたのかな……?



四つ目、老婆の着物を盗んだ後も、盗みを繰り返す。10年が経った……。京都の災いも無くなり、下人もまともな仕事を見つけ、盗みから足を洗っていた。その内結婚し、平凡でも幸せな家庭を築きましたとさ。めでたしめでたし☆


……ねーよ! 一番ない! 下人が幸せになれるわけないと思う。最後の"めでたしめでたし☆"って紙芝居か!



五つ目、下人は老婆の着物を売っていた。そこへチンピラが。着物を奪われ殴る蹴るの暴行。
→のたれ死。


…………結局死ぬんじゃん!


ほぼ死ネタしたかないよ! 五つ中三つが死ネタだよ…。



しかし、まぁ……生きとし生けるもの死ぬのだからそういう結論になってしまっても仕方無い。


私はそう思い、新しく本を手に取った。



――太宰治の『人間失格』を。



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