24-kiara | ナノ

Diary


 コピー本おまけ
<分岐案>

長々と語りましたが、これで以上です。目隠しも、猿ぐつわも、手を縛った縄も外しますね。ただ、ここからは逃げられません。叫んでも皆、お祭りに夢中で誰も来ませんよ。」


神父は語り終えたあと満足そうな笑顔を浮かべて、少女を縛っていた縄や、目隠し、喋れないようにしていた猿ぐつわを外す。少女は身体を固くし、すべての感情を殺しながらも涙を流して、神父を見上げた。


「……う、そ……」
「あははははっ!! いいね、いいね!! こんなゲスいこと喋ったあとでも信じようとしてくれるの? いい!いいよ! 僕はそれを木っ端微塵に砕いてすり潰して……壊すから」
「ぅあ――……ッ!」


神父は椅子に座って呆然としている少女の首を鷲掴み、勢いのまま床に押し倒した。そのままグッと力を入れて、少女の首を絞め始めた。少女は、反射的に神父の首を締める腕を掴み抵抗するが、成人している男性の力に少女が勝てるはずもない。そのまま苦しみに涙を浮かべ、ニヤァと唇の端を上げ始める神父を見ているしかない。


「ああ、一言言い忘れていました」
少女が息絶えそうになった時、神父が楽しくて仕方がないという笑顔を緩め、慈しみをたたえた表情で言う。


「ッああああああ……!!」


少女の心はその一言で決壊した。記憶の無くした少女の走馬灯は、神父と過ごした優しく温かい三年間――そうして最後。


「三年間、飼い殺されてくれて……ありがとう」



END




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