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Diary


 【オズ夜美】イヤミの裏表【双さん誕】
屋根の上で夜美はソワソワとしながら、燕尾服の上着を羽織る。幼女と称される彼女には少々、サイズが大きく……有り体に言うなら似合ってない。服に着られている。

「え、へへ……これなら混ざっても良いかな……」

櫂木荘の一階では、沙弥や真也が燕尾服やメイド服を着て遊んでいる。それを見た夜美は、自分も混ざりたく燕尾服をどこからか調達してきた。もちろん、持ち前のネガティブを発揮して「どうせ私なんか(ry)」と思っていたが、遠目で見ていてとても楽しそうで、つい燕尾服を着て乱入すれば混ざれるんじゃないかと思っていた。


「あははは!似合う似合わない以前にみっともないね、その格好」
「お、オズ


だが、夜美の淡い期待を嘲笑うように嗤う声が聞こえた。夜美が振り向くと、心底人を馬鹿にしたように笑うオズが居た。青空が透ける姿は、霊体で容れ物のトウマの姿を抜けてきたのだろう。

「格好だけ真似れば混ぜれるとか、期待してるの? 化け物のお前が? どうせあの楽しい空気をメチャクチャにして台無しにするだけなのに! あはは、それも楽しいけどねぇ!」
「うるさい……そんなの分かってる……し……」

分かってる。分かってるよ という声は俯いて消えた。化け物で、壊すことしか出来ないことも。全部全部分かっている。それでも人の輪に憧れ、入りたいと願うこともダメなのか。でも、オズの言うことは正論で何も言い返せない。


「…うざい。マジうざい。結果分かってるなら凹まないでくれる? そのいかにも慰めて欲しいですって顔僕嫌いなんだけど。うざったい」
「う、うぅ……」


オズは夜美の幼い仕草も嫌いなのだろう。舌打ちを一つし、眉間にシワを寄せる。その反応が夜美のネガティブに拍車をかけるのだが、オズはペラペラさらに夜美を貶す。


「何度も何度も言っても学習しないやつ。そんなに人間に尻尾振りたいわけ? 意地汚い。人間なんてお前が生きてる一瞬、瞬きの間に死ぬのに。関わってどうするんだか」
「だ、だって! 楽しそうなんだもん……! あんなに楽しそうならちょっとくらい……」
「ちょっとくらい? さっきどうなるか分かってるって言ったくせに」
「うるさいうるさいうるさい オズのバカ もう分かってたから……
「じゃあそんなみっともない格好さっさと脱げば。そんなのよりだったら、僕の屋敷で着ていたメイド服の方がマシだよ」


オズの人を馬鹿にしたような笑いを貼り付けながら言った言葉に夜美は目を瞬いた。そしてぱぁっと顔を明るくすると犬のように「オズ オズが言うならメイド服着る、けど!」と嬉しそうに言いオズの顔を伺う。


「は? マシってだけで着て欲しいなんて一言も言ってないんだけど何勘違いしてるの?」
「いま、思い出したけどオズ、メイド服脱がすの好きだった気が「うるさい。黙れ。乱暴に乱されて喜んでる淫乱が」
「インラン?ってなに?」


オズはピクッと口元を引きつらせた。彼は純粋無垢な夜美に昔色々ソッチ方面で仕込んだはずなのだが、夜美は頭に「?」を浮かべている。
オズはじっと考え……結果。


「今から、僕の部屋に来ればわかるよ……くすくす」


オズは内心舌なめずりをしながら、顔を真っ赤にさせる夜美の手を引いた。




オズさん霊体で夜美ちゃんに触れてるけど、そこは神の力ってことでry
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