02

08月12日。

先日まで続いていた冷夏はどこへやら姿を消して、澄み渡った空はまさに夏と呼ぶに相応しい模様を見せた。
燦然と輝く太陽の光が容赦なくあたし達に降り注ぐ。
この炎天下の元、あたし達は他校へ練習試合に赴いた。

「あっちー……」

一度動けば汗が吹き出てくる。
グラウンドの端に生い茂る木が唯一のあたし達の休息場所だった。

「次、何処と試合?」
「次はー……」

相手校の名を聞けば、経験者の居る強豪校の名前。
聞いただけで溜め息が出る。

「取り敢えず頑張ろかー」

気合いをそこそこ入れつつコートに整列し、笛が鳴る。
いつもの調子で、いつものように。
大地を蹴り上げて、宙を舞う。
シュートを打ち、ネットが揺れる。

「っしゃ……っと!」

目の前に迫るキーパーの姿にとっさに身を捩らせて。
そのまま地面に着地した。


その瞬間。



【02.何かが崩れる音がした】



「いっ、た……!!」

次にあたしを襲ったのは今まででかつて無い痛みで。
歩く事も、立つ事でさえも出来ず、あたしは地面に倒れ込んだ。



∴2011/10/31

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