18

「あー疲れたぁ……」

事前検査を行った病院に再び訪れたあたし。

着替え等の荷物……と、ゾウを持って。

「(つーか、荷物の大半ゾウで埋まってるでしょ…………)」

心の奥でハンド部のみんなにツッコミを入れながらも、一緒に来た母親と入院の手続きを済ませた。
すると、エレベーターで7階まで上がるように指示されて、部屋に案内される。
通された部屋は大部屋であたし以外にも人がおり、ベッドは満床だった。
ただ窓際のベッドがひとつだけ空いていて、そこがあたしのベッドだな。と理解した。
やがて看護婦さんが来て、入院の説明と手術についての説明をされる。

「一通り説明したんですけど、何か分からない所とか無いですか?」
「だいじょぶでーす」
「では、患者さんを判別するために手首に着けさせてもらいますね」

それは化学繊維から出来ている腕輪みたいなので、あたしの名前とバーコード、血液型が書かれていた。
抜けないように調整がされて余分な部分をパチンとハサミで切ってもらう。
しっかり腕に着いたそれは、普段腕に何も着けないあたしにとって、不思議な感覚をもたらすのだった。



【18.右手首に残る違和感】



やっぱり少し気になって引っ張ってみたけれどそれなりに伸縮性があった。
頑張れば抜けるかもしれないな、なんて考えたが止めておいた。
……千切っちゃいそうだし。



∴2012/02/24

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