11

最早通い慣れた道を歩いて病院へと歩を進める。
9月と言えど日差しは強いままで、肌がジリジリと暑さを感じていた。
しかし室内に入ってしまえば、空調のお蔭でそんな事は感じなかった。
受付を済ませてリハビリ室に入ると見慣れた姿があったので挨拶をする。

「こんちわー」
「こんにち、は…」
「……?大久保くん??」

声に振り向いて驚いた彼。
不思議に思いあたしは尋ねてみた。

「どしたの?」
「いや……女子高生なんだよな、って思って」
「……なにそれ」

失礼じゃない?と思ってたら後ろから出て来た小依さんがクスクスと笑いながら言った。

「恋歌さんがいつもと違う服装だったから驚いたんだよ」
「服装?……あ」

学校帰りで来たあたしが着ているのは当然制服である。
いつもは家から通っていたから私服だったけれど、学校があるとそうもいかない。
服装違うと印象変わるのかな、と思ったあたしは少しおちゃらけてみる。

「どう?本物の華の女子高生は?」
「……別に何もないけど」
「うわ、ひどい!」
「だって美羽音ちゃんは変わらないでしょ」
「そーだけどさー…」
「…その性格だし」
「え?どの性格!?」
「……分からないなら、分からないままでいいと思うよ」
「どーゆー意味ー!?」



【11.いつでもあたしはあたし】



何か馬鹿にされた気がする。



∴2012/02/05

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