10

夏休みはいつの間にか終わりを告げて、あたしの日常に学校生活が戻ってきた。
リハビリを重ねて普通に歩けるまでには回復したあたしは、ちゃんと毎日学校に通っていた。
ただ以前と違うのはその運動量。
通学で使っていた自転車は漕ぐことが出来ないし。
走る事も出来ず、体育の授業は見学。
部活に参加したってボール拾いだってロクに出来ないから行っていない。
唯一動くのは、自宅での筋トレとリハビリくらいだった。

「ゴメン、今日掃除パス!」
「あ、そっか。頑張ってー!」
「ありがと、じゃーねっ」

救いなのは、みんなあたしが怪我をして色々と出来ない分サポートをしてくれてる事。
リハビリのある日は掃除変わってもらったり。
それは本当に助かるし、有り難く思えるのだけど。
同時に今まで普通にやってきた事が出来ないと言うもどかしさがあたしの中にはあるのだった。



【10.何とも言えないこの気持ち】



あたしの心に小さな影を落とす。



∴2012/02/04

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