13 並盛中学校
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「…ここ、だよね」


只今わたし、恭弥君の通っている並盛中学の正門前にいます。事の発端は数十分前、いつも通り学校へと行った恭弥がお弁当を忘れている事に気づいた。そこで恭弥君にメールしてみると忘れてた事に気づいてなかったらしくてわたしが届ける事にしたのだ。それにしても。


「(…入ってもいいのかな)」


中学校って、勝手に入ったりしたら不審者扱いとかされないかな。どうしよう、と思ったけれど事務とかに届けたら恭弥君呼んでくれるかな。渡してくれるだけでもいいんだけど。


「あ、あの」
「こんにちは。どのようなご用件ですか?」
「忘れ物のお弁当を届けに来たんですけど…」


事務的な喋り方の女性に少し竦んでしまった。それでもちゃんと忘れ物を届けに来たと言う事を伝えると、放送でお呼びしますので生徒さんの名前を教えてください、と言われて雲雀恭弥です、と言うと女性が固まった。ついでに後ろの方で忙しそうにバタバタとしていた人たちもピタリと足を止める。


「あ、あの…?」
「ももももも申し訳ありません!お呼びする事はできないので直接お願いします!」
「え?あ、ちょっと!」


もう一度、雲雀恭弥君をお願いします、と言うと女性は勢いよくさあーっと真っ青になりもの凄い速さで喋った後、ピシャリとシャッターを下ろした。…あれ?


「(…どうしよう)」


なんだか頭がついていかないのですけど。完璧にシャットアウトされたシャッターにパチパチと瞬きをする。これは、わたしは校内に入ってもいいっていうことですか?


「(ええい、入っちゃえ)」


お邪魔しまーす、と言いながらスリッパを借りて校内に入る。
こんなことならショートパンツはいてくるんじゃなかった(だってなんだか足出すの恥ずかしいし)。


いざ、並盛中学校へ!





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