「あ!」
「姉ちゃん弱っえー!」

「……」


けらけらと聞こえるじゅんの声を聞いて思う。なんでこんなことになったのだろうか。ただでさえ接点があまりないゆかさんと付き合えるようになって数日、お互いの部活が休みで俺んちに呼んで恋人の時間をすごそーかと思ってたのに。こんにちはと言ったゆかさんの背後には何故かものっそい笑顔のじゅんがいた。


「ありえねーな、ありえねーよ」
「ん?桃なんか言った?」
「スキあり!」
「あー!」


俺の声にゆかさんが反応して、その隙にじゅんがゆかさんの操ってるキャラクター(某国民的緑の怪獣)を攻撃。それを繰り返すのももう何度目か。そしたらじゅんがちょっとトイレーと部屋を出て行った。(これは今までなかった展開)


「ごめんね、桃」
「へ?」
「じゅんがどうしてもついてくって言うから」


じゅんも桃と遊びたかったんだねーと言いながらも、それでも二人で会う約束だったのにごめんねと謝るゆかさん。…やべえ、ちょっとキュンときた。


「じゅんと桃、こんなに仲よかったのね」
「まあ普通に仲いいっすね」
「桃の名前もよく家で出てくるんだよー」
「え、そうなんすか?」


変なこと言ってないっすよね、と聞くとだいたい早弁したとか授業中ふたりして爆睡してて先生に怒られたとかそんなこと、というゆかさんにがっくりと肩を落とす。…じゅん、そんなことわざわざ家族に報告すんなよ。(明日しっかり怒らせてもらおう)


「ね、桃」
「?」


そんなことを考えているといつの間にか近くにいたゆかさん。びっくりした、ってかいつのまに上着きたんだゆかさん。すすす、と近寄ってきたことにドキッとするも、にっといたずらを思いついたような顔をするゆかさんに別の意味でドキ。




「じゅんが戻ってくる前に、どっか行っちゃおっか」




ね、というゆかさんと一緒に部屋をぬけだして、あとから何通も着信のはいった携帯を見てじゅんに心の中で謝った。明日は学校で朝一で文句を言われるだろうけど甘んじて受け入れようと思ったのは秘密だ。






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