「赤也っ!」
「おーおかえり、じゅん」


おかえりじゃねえよ!と思わずつっこんだことは今更だ。家に帰ったら赤也が遊びに来てることなんてよくあるから(母さんも普通に上がって待っててねーとかいって家あげちゃうし)気にしないけど、でも今は状況が違う。なんでかって…


「なんでお前姉ちゃんの部屋にいるんだよ!」
「え?だってそりゃゆかさんが…」
「お前いっつも俺の部屋くるじゃん!」


姉ちゃんに会いたいだとかほざくなよ会わせねえよ!いつものようにどうにかして姉ちゃんが帰ってくる前に帰らせるか一緒にどっか連れてってやる。これが英二兄とかだったら俺も一緒にゲームとかして姉ちゃん待つけどこいつは下心みえみえ。そんな奴に姉ちゃんはやらねえ!つーか今日は別に約束してなかったのになんでいるんだよ、というと何故か赤也は、にぱあ〜っと笑った。


「ん?聞いてないのかなじゅん君は」
「…気持ち悪、お前」
「なんとでも言いたまえ」


にぱにぱと笑ってくる赤也。正直きもい。そーかそーか大事な弟のお前も聞ーてないんだあー?と妙に間延びした口調で話す目の前のワカメに、いらっとしてバシンと叩くとその音を聞きつけた母さんに怒られた。じゅん!と怒鳴られてなんで俺怒られてるんだ…!と思っているとただいまーという姉ちゃんの声が聞こえた。か、帰ってきちゃった…。


「あれ、じゅんなにしてるの?」
「…は?」


いやいやいや、聞くとこ違うくね?ここ(姉ちゃんの部屋)に赤也がいることをまず疑問に思おうよ姉ちゃん。


「あ、赤也ちょっと待ってて」
「はーい」
「着替えるからじゅんの部屋行っててよ」


じゃあ待ってるっすねーと俺の背中をおしながら姉ちゃんの部屋を出る赤也。…は?


「ちょ、赤也どういう…」
「おれとゆかさん、彼氏彼女だから」
「………は?」


ちょっと待て、今なんか聞き捨てならないことが聞こえたぞ。


「……は?」
「だから、付き合ってんの俺達」


今からデートなんだぜ!とにっかりと笑う赤也。



「はああああああ!?」



ちょっとなに叫んでるのうるさいわよじゅん!と姉ちゃんから怒鳴られてダブルパンチ。ああ、誰か嘘だといってくれ…!





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