「あ、サボり魔はっけーん」

「そういうお前は?」

「保健室行く途中だもん」

「あっそ」

「どうしたとか、なんでとか聞かないの?」

「興味ない」

「体調悪いのとか、風邪ひいたとかさ」

「どーでもいい」

「…」

「…」

「お腹痛いの」

「(結局言うのかよ)」

「お腹痛いの!」

「オダイジに。つか、なんでジャージ来てんの?」

「今、体育なんだよ。最初は出来るかなって思って着替えたんだけど、ツラくなって。見学してたんだけど校庭寒くて耐えられなくなってきたら先生が保健室行っていいって」

「(確かに顔色は悪いな、元からいいんでもないけど)」

「なに?」

「なんも。校庭って風通りいいからな、今の時期は特に」

「そうなの、すごい寒かったから余計にお腹痛くなって」

「薬は?」

「飲んだけどなかなか効かないっぽい」

「いつ飲んだ?」

「お昼」

「朝は?」

「忘れた」

「ちゃんと飲みなさい」

「だって朝はそんなにひどくなかったんだもん」

「今までから見てひどくなるのは分かるだろ」

「たまには平気かと思ったの。もーお腹痛いー!」

「さっさ保健室行け」

「いい」

「は?」

「ここのがあったかいし落ち着く」


現在地、日の当たる渡り廊下の隅っこです

「…」

「それに保健室まで行くのも億劫だし」

「ベッドで横になった方が楽になるのでは?」

「横になるよりうずくまりたい。だから、」

「却下」

「まだ言ってないよ」

「どうせ人を枕代わりにでもするつもりだろ」

「違うよ、凭れ掛かるだけだよ」

「同じよーなもんだろが」

「お腹痛いー」

「……はぁ。好きにしろ」

「やった」

頭を彼の肩に預けます

「重い」

「あー痛いよー寒いよー」

「…、コレ羽織っとけ」

「ブレザー? いいの? あんたは?」

「別に寒くないし、セーター来てるし」

「んじゃー借りる。はあー、ここはあったかいねぇ」

「日当たりいいからな」

「うー、お腹痛いのは良くなってきたけど、なんかぼーっていうかぬわーって感じで気持ち悪い…」

「目眩じゃないか? 血が足りないんだろ、鉄分取れ」

「あーそうかも。鉄分ねぇ、鉄分って何に入ってんの?」

「ほうれん草、レバー、プルーン、納豆、豆腐、とか」

「じゃあ今日はニラレバとほうれん草の味噌汁と納豆ご飯にしよー」

「取りすぎも良くないぞ」

「どうしろと」

「バランス良く食べろ」

「あんたに言われたくなーい」

「俺は健康だからいいの」

「よく風邪ひくくせに」

「頭落とすぞ」

「ひどーい」棒読み

「……」

「そういえばさー、あんたのとこ今何やってんの?」

「あー、数学だったと思うけど」

「なるほど」

「何だよ」

「数学なら授業受けなくても分かるからサボってんのかなーって」

「教科書読めば分かるだろ」

「分かんないよ」

「お前はな」

「あ、後で数学の課題教えて。アレ意味分かんない」

「元気になったらな」

「んー。よろしくー」

「…目眩は?」

「さっきよりは良い気がする。てかさー、なんであんた私が生理だって知ってんの? 察し良すぎじゃない?」

「むしろお前が隠さなすぎだろ。アレとかそのまま持ってくし」

「ナプキンのこと?」

「だから隠せって。つーか、恥じらえ」

「今さらあんたに恥じらってもなー。あ、ちゃんと他の人には隠してるから大丈夫だよ」

「何が大丈夫だよ。ったく、そーいう対応されてりゃ察しも良くなるっつの」

「はあー、眠くなってきたー」

「寝るな。6限目までサボる気か」

「私は保健室で休んでるって言ってきたもーん。そっちは次なに?」

「確か倫理」

「じゃあいいよ。一緒に昼寝しよう」

「勝手に決めんな」

「1人にすんなよー淋しいじゃーん」

「枕がほしいだけだろ」

「あはっ」

「お前は…」

「んじゃ、おやすみ」

「…今度、昼メシ奢れよ」


indulge in a nap


20121024


高校2年の冬くらいかなー。しかしこの2人は本当にだらだらと会話が続いてしまいます…。仲良いんだか悪いんだか´ω`


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