ピーンポーン

「ハッピーバレンターイン!」

「……」

「昨日だけど、まぁいいよねー。って事で、中いれてよ。寒いし」

「…またか」めんどい

「ある意味恒例?」

「恒例にすんな」

「でも毎年あるし」

「めんどい、帰れ」

「用事終わったら帰るし」

「……」

「ほらほら、冷気がどんどん入り込んじゃうよー」ニヤニヤ

「……」

「ほらほらーほらほらー」ニヤニヤ

「……はぁ」

根負けしました。

「用事済んだらさっさ帰れよ」

「分かってるって。で、今年の収穫は?」

「そこ」

「うっわ、今年も大漁だね! えーっと、ゴディバにモロゾフにロイズにピエールマルコリーニ! 有名なとこばっかじゃん、美味しそー。てか、いつもより多くない? なんで?」

「バイト先で客から貰ったからじゃねーの」

「あぁ。さすがに断れないんだ。今、何のバイトしてんだっけ?」

「居酒屋とコンビニ。最近のは断る暇なく置いてくし」

「ふはっ! 肉食系女子だね、可愛いじゃん」

「意味分からん」

「でも成長したねぇ。昔は全く受け取らなかったのに。受け取るとしても既製品のみとかどーなの?」

「手作りとか何入ってるか分かんないだろ。大体俺は甘いの嫌いなんだよ」

「あーそう言って捨てようとしてたもんね、女の子の大切な大切な気持ちが込められたチョコを!」

「んで、それ食べてるお前ってどーなの?」

「だってもったいないじゃーん! どうせごみ箱行きなら私食べてもよくない?」

「だから勝手持ってけ」

「はーい、いただきまーす」ルンルン

「満足したなら帰れ。これからバイトなんだよ」

「あら、じゃあコレは帰ったら食べてね。今年のバレンタインディナー」

「…中身は?」

「ロールキャベツ、ミルク煮込みだよーん」

「野菜かよ」

「はい、嫌そうな顔しない! クッタクタに煮込んであるしお肉多目だし味付けはお父さんだからめっちゃ美味しいから」

「おじさんなら、まぁいいか」

「納得早くない?」

「実績の差だろ」

Happy? Valentine's Day!






ピーンポーン

「やっほーホワイトデー回収に来たよ」

「…またか」

「あは、恒例だからね」

「(いらない)」

「てか、取りに来ないとくれないじゃん」

「くれと言った覚えはないからな」

「ホワイトデーは3倍返しが常識でしょー?」

「そんな常識なくなれ。損しかないじゃねぇか」

「うん、そう言うだろうと思ったから期待はしてない」

「…で?」

「で、ムーチェのオムライス食べに行こうか! あ、もちろんデザート付きね」

「はぁ…」

「今日バイト?」

「夜からな」

「じゃあ丁度いいじゃん!」

「(だから面倒なんだよ)」

「よっしゃ、お腹も空いてきたし早く行こっか」

「昼からバイト入れてりゃよかった」

「そゆ事言わない! ほら、行くよ。それとも何、駅前ホテルのフルコースディナー(お値段が高級)おごってくれんの?」

「ふざけんな。…はぁ、行くぞ」

「やりぃ!」

Happy White Day!


「黒い食べ物と言えば?」
「ゴマ、イカスミ、海苔、ひじき」
「うーん、じゃあ4月はイカスミパスタだね」
「ブラックデーもやんのかよ」


20120304


ブラックデーは、4月14日にバレンタインホワイトデー等に参加出来なかった男女が黒い食べ物を食べる日だよ! 2人は何か食べたいだけだよ!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -