少年、留学から帰ってきた後の話


「ねぇねぇ。ヘブンって映画知ってる?」

「…何作かあるんだけど?」

「え? えっとー、フィリッパさんとフィリッポさんが出てるの」

「イタリアが舞台の?」

「分かんない」

「…」

「あ、でもチャオとか言ってたかな」

「…内容は?」

「先生と看守さんの愛の逃避行!」

「(所々間違ってるな…この人なら仕方ないか)」

「ちょっと、今なんか失礼なこと考えてたでしょ?」

「いえ別に。それよりソレがどうした?」

「あ、うん。あのね、その中でピアノが流れてたの。静かにゆっくりと、ちょっと悲しくて」

「…」

「なんとなく印象的でね」

「…ソレを弾けと?」

「さっすが! 分かってるね!」

「貴女が分かりやすいだけです」

「ね? 弾いて」

「(聞いてないし…)仕方ないな…一回だけですよ」

「やった!」





「ねぇ、もし私が犯罪者だったとしても好きになった?」

「……」考え中

「……」待ち

「どうだろう?」

「え、それだけ考えてその答え?」

「まず僕は犯罪者とは知り合わないと思います」

「だからもしもの話だって」

「…」

「…」

「もし、貴女が犯罪者だったら」

「だったら?」

「関わり合いにならないだろうね」

「(やっぱり…)だよねー」しょぼん

「…」

「普通はそうだよね…」

「…だけど」にじりよじり

「うん?(なぜ寄る?)」

「もしも貴女がこれから先、なにか罪を犯したとしても、嫌いになれない」

「え?」

「嫌いにはならないと思うよ」

「そ、それって…」

「例えなにがあっても僕はこれからも貴女がすきだ、ってことですよ」

「!」

「どうかした?」にっこり

「っ、」

「顔が赤いよ?」さらに寄る

「んなっ…もう! 意地悪! ってか顔が近い!!」

「そう?」

「なんか帰国してからやたらとスキンシップが激しくない!? どうしたの!」いっぱいいっぱい

「…」ニヤリ

「…っ(あ、ヤバい)」

「スキンシップが激しい、っていうのは」

「ちょ、どこ触っ!」

「こういうこと、を、言うんだよ?」

「待って待って待ーっ!!」

強制しゅーりょー




heaven movie by Krzysztof Kielowski and Tom Tykwer



なんだこのバカップル!恥ずかしいわ!!

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