旧校舎は私たちが普段使っている校舎の裏にある。少し古くて少し小さい

元は音楽学校だったけれど、時代の波に流され音楽一本ではやっていけなくなり、普通科も取り入れたらそっちの方が繁盛したらしい。今は音楽科より普通科のが需要があるって事かな。で、校舎も古くなっていたし、生徒も増えたしってことで校舎を新しく建てた

だから、このピアノがある旧校舎に足を運ぶ人は少ない。物置半分、資料室半分って感じだ。つまり先生か、雑用を頼まれた日直の人くらい

人気が少ないってのは確かなんだけど、ゼロでもないんだよね。うーん、どうしたものか…


「やっぱり教えてあげた方がいいかな…」
「…何がですか?」


零したそれは独り言に近かったけれど、少年には聞こえていたらしい。不思議そう、というより怪訝そうに見られてしまった


「いや、うん、あのね」
「(…そんなに言いづらい事なのか?)」
「ココってさ、ほとんど人来ないじゃない?」
「…はい」
「でも全く来ないって事もないでしょう?」
「…えぇ」
「で、裏庭って言っても旧校舎に面してるワケだからこの校舎からだと、どの教室でも丸見えだと思わない?」
「まぁ、それなのに」


やっぱりそう思うよね。少年が言うならやっぱりそうなんだよね!


「先生にも教えなくちゃかな!」
「はい? 何を? ってか、先生って…」
「ほら、裏庭の隅っこに木があるでしょう? そこに水森先生がいるの」
「……」


水森先生の名前を聞いた途端に少年はしかめっ面になった。相変わらずみたい

なかなか姿を見つけれないみたいだから、窓越しに指差して(先生ごめんなさい)みせるとさまよっていた少年の目が定まった。それからひどく呆れたように言った


「放っておけばいいんですよ」
「え。でも、だれかに見られたら大変じゃない?」
「自業自得です」
「まぁ…ね」


辛辣に吐き捨てる少年の目線の先の水森先生は白い煙りを吐き出していた


「どんだけヘビースモーカーなんだか」
「うーん…」


水森先生は好きだけど、学校でタバコはなぁーと苦笑う夕暮れ時


(校内、敷地内は禁煙です!)





入り切らなかった設定諸々

旧校舎
木造3階建て(音楽室は3階の角にある)
外観はいかにもな古さだけど中は改築を重ねてるから割と新しい
防音ばっちり
冷暖房もばっちり
窓とかドアとかをきちんと閉めてれば音もれは最小限
しかし見方によってはお化け屋敷雰囲気満点
音楽室は二重ドアで窓多め


水森先生は音楽の先生で一般も音楽科もみる
演奏者の専任講師でもある
聴き手とは音楽の授業で顔見知り


以上、いるんだかなんだかな裏情報でしたー!

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