ネコふんじゃったーネコふんじゃったーネコふんじゃったーら飛んでったーネコ飛んでったーネコびっくりしーて飛んでったーネコニャーゴ、ネコニャーゴ、猫かぶりーで甘えてるーネコごめんなさい ネコごめんなさい ネコびっくりさせてごめんなさい
ぴかぴか光るピアノを発見して、惹かれるように寄って行って、シロとクロが弾いて弾いてと言ってるみたいだから、誘われるまま触れてみた。でもピアノなんて習った事ないから小さい頃に遊びで覚えたあの曲しか弾けないのだけれど
それでもなんだか楽しくて何度も何度も繰り返し引き続けて歌い続けて、ピアノに夢中になっていた
だから気付かなかった、この部屋に私以外にも人がいるなんて
「何回弾けば気がすむんですか、一体」
「え?」
私はびっくりしてピアノから指を離すと、ぽーんと音は途切れた。顔を上げればピアノを挟んだ向こう側に少年が立っていた
「だいたい、指が間違ってるしテンポはでたらめ、音が外れてる、それから―」
少年はつらつらと私に対して文句(?)を言ってるけど、後半はおそらく専門用語満載でさっぱり分からなかった。呆けてる私をよそに少年は今気付いたとばかりに私の顔を凝視した
「…ていうか、あなた誰ですか」
君はだれでしょう?
(演奏者と聴き手になる前の話)
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