「アキちゃん、おはよ」
「ひ?く、黒澤先輩!お、お、おはようございます・・・!」
背後から肩を叩きながら挨拶しただけでこの驚きよう。
「今日は髪結んでるんだ?かわいーね」
「あ、ありがとうございます・・・!」
そしてちょっと言葉にしただけでもう真っ赤。
今日も俺の彼女は安定の可愛さだ。


「朝からなににやついてんの」
小走りで去っていく彼女の背中を眺めていると、広末先輩に声をかけられた。
「おはようございます!いや〜今日もアキちゃんは可愛いな〜って」
「またからかってたの?やりすぎると嫌われるぞ」
「だって!小動物みたいでたまんないんですよ〜」
「・・・こんなのに目をつけられて、アキちゃんも可哀想に」
「こんなのって何ですか!可哀想ってなんですか!」
「あーはいはい。その話はまたいつかな!」
自分から話しかけてきたクセに、広末先輩は適当に手を振ると行ってしまった。
(そんな事言って広末先輩だってアキちゃんの事可愛いと思ってるクセに)
俺が公衆の面前で彼女をかまうのは、反応が見たいのはもちろんだけど、牽制の意味も多分にあるのだ。
そんな事を考えているといつの間にか廊下に人は居なくなっていて。本鈴が近い事を察した俺は慌てて自分の教室へ向かった。




昼休み。
いつものように食堂をふらふらしていたら広末先輩と秋月を見つけたのでそのテーブルに混ぜてもらった。
本当はアキちゃんと一緒に食べたいのだけど彼女にも友達付き合いというものがあるし、友達が行っておいでと言ったとしても恥ずかしがり屋の彼女はそう簡単には了承しないだろう。
(でも会いたいな〜。アキちゃんの好きそうな新作のお菓子も買った事だし・・・あ!)
「アキちゃん!!」
今日の俺はついているらしい。
食べ終わって教室に戻ろうとしているらしいアキちゃんを見つけ俺はおいでおいでと手招きした。
(首をかしげながらも素直に来てくれるこの感じ・・・!)
アキちゃんの可愛さにもだえていると広末先輩たちから冷たい目線を送られた気がしたがそこは気にしない。

「こんにちは!」
礼儀正しい彼女は広末先輩たちにも挨拶をしている。
「アキちゃん」
そんな彼女の視線を取り戻すべく俺はお菓子の包装を開けひとつ手でつまんだ。
「味見!どうぞ?」
――絶対に真っ赤になって遠慮すると思ったのに。

ぱくりと指まで食べられてしまった俺は、彼女の唇の柔らかさに全身の血が沸騰したかのような気分を味わう事になった。





幼い棘にご注意を
「わ!ご、ごめんなさい!!」
「・・・」
「黒澤先輩?」
「・・・がんばれ、がんばるんだおれのりせい」









*an afterword
60000hitで更紗さまからいただきましたリクエスト、黒澤さん恋人設定甘々、でした。
せっかくウチの黒澤さんがいい味出してると言っていただけたのに、たまには腹黒い一面をといらん挑戦をしてみた結果間違った方向に・・・。
でも!黒澤さんのヒロインちゃんに対する愛はいつも通り、いえ、いつも以上です!!
黒澤さんの愛の重さ=甘さという事でご容赦いただけないでしょうか(o_ _)o
どうかこれからもthink of xxをよろしくお願いします!

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