彼女と同居


櫂の自宅にて。


「もし一緒に暮らすとしたらさ、みうはここじゃなくて新しい部屋がいい?」

「んー。ここでいい」

「そう?でもそしたら新しいベッド買わないとねー。今のだとくっついて寝れて良いけど、毎日だとやっぱりもうちょっと広い方がいいんじゃない?」

「買わなくていいよ」

「えー。みう、新しくしたいモノとか欲しいモノないの?」

「・・・部屋が欲しい」

「いいけど・・・何置くの?あ、クローゼット?」

「ベッドと机と鏡台」

「・・・え?別々に寝るの!?今は一緒に寝てくれてるのに!?」

「・・・オフの前の日ならいいよ」

「それってオフの前の日しかしないって事!?」

俺はかなり真剣だったのに、彼女からはパンチが飛んできた。

「いたいっ。だってそういう気分になる日だってあるじゃない!(俺は今日だってそういう気分だよ!)」

「だって音楽聞きながら寝たいもん」

「流してていいよ。むしろ俺が歌ってあげるよ!」

「・・・」

「家庭内別居!?そんなの寂しすぎる!」

俺が頭を抱えると、彼女は少し頬を赤らめてそっぽを向いた。


「・・・たまになら、いいよ」

彼女の言葉に俺は気を良くして(彼女は絶対に嘘をつかない)、じゃあ今日でもいいよねと彼女をベッドに運んだ。
(彼女がいつでも越して来れるように、ひと部屋空けておこう!)

 
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