□ ニーハイ □
「…これでいいか」
「…何か違う、…何か違う!」
学校帰りに寄った彼の部屋。
目の前で喚く恋人を見ながら、俺はただ溜め息を溢した。
今日は11月28日。いいニーハイの日らしい。
俺は聞いたことないし、いいニーハイとは何だと思ってしまう。デザインが良いとかか。
まぁ、恋人はその日だとテンション高く、ニーハイとスカートなんぞ買ってきやがった。…俺に。
俺が履く意味も分からないし、普通に嫌だし。けれど、恋人の頼みは断りづらい。
一度だけだしいいか…と着てみたは良いものの、この反応。
「だから似合わないと言っただろ」
「いや!そうじゃなくて!似合ってるし物凄くエロくて可愛いんだよ!」
「エロ…可愛い…」
興奮しているのか、怒っているのか、分かりづらい表情で声をあげる恋人に、ちょっと引いた。
エロくて可愛いとか、本気で意味が分からない。
「俺が想像してたのはさ!もうちょっとこう…お前がモジモジしてるっていうか…」
「…俺がモジモジしてたら余計にキモいだけだろ」
「恥じらいが良いの!エロいの!」
「…エロ…」
ダメだ、こいつは何を言ってるんだ。
恥ずかしいと言えば恥ずかしい。けれど、モジモジする程ではない、…というか色々吹っ切れないとまず着ないだろ。
早く脱いでしまいたい、と溜め息を溢しながらスカートの端を摘まむ。
すると突然、ソファに押し倒された。
「っ…何だよいきなり…」
「今の、エロかった」
「はあ?」
お前のエロポイントは何処にあるんだ。
先程より興奮している恋人は、俺に覆い被さりながらスカートの中に手を入れてくる。
「あっ…ちょ、待て…!」
「…無理、それもエロい」
「ぁ…ッ」
さっきからエロいエロいって!頭おかしいのか!
そう心中怒鳴りつつも、内股を撫でられて、小さく声を溢してしまう。
俺は、慌てて彼の肩を押し返しながら自分の口を抑えた。
するとまた、エロい、の一言。
「やっぱこの絶対領域だよね!…あとお前の反応、何かイケナイコトしてるみたいでエロい」
「ふざけ、ッ…ん、ァ…そこは…っ」
「ねぇ…また、ニーハイ履いて?お願い」
危うい所を触られて体が跳ねる。恥ずかしさに顔に熱が集まる。
もう嫌だ、そう思いながらも恋人の仔犬のような表情でのお願いに俺は、
「っ…少しだけ、な…」
「!やった!大好き!」
「ひ、あぁ…!」
どうしても、断ることが出来ないのだ。
*……‥‥
変態ワンコ×お人好し男前。
女装とかしても、あんまり恥ずかしがらない男子が好きです。
変態ワンコのエロポイントはよく分かりません…(笑)
というかニーハイ感薄くて…(((
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