You're mine. (1/3)


「せっちゃん?どうしたんすか?」

久しぶりに会えた恋人を見て、盛らない男はいない。
目の前で可愛く首を傾ける赤根を見つめ、俺は小さく息を溢した。

仕事のせいで会えていなかった恋人を思い、暫くぶりに連絡を入れてみて会う事になった今日。
待ち合わせ場所に現れた彼に、年甲斐もなく緊張した。
…そんな素振りは見せてやらねぇが。

「…何でもねぇよ。じゃ、ラブホでも行くか」

「は!?な、何でそうなるんすか!行かないっす!」

誤魔化すように冗談を言えば、毎度の如く真っ赤になって喚く赤根。
似たような冗談を今までも何回も告げた事はある。それでも赤根は毎回真面目に受け取って、こんな面白い反応をして…正直、可愛すぎる。

俺は込み上げる笑いを抑えながら低い位置にある頭を撫でて、冗談だと告げるとまた更に真っ赤になる。
ぶつぶつと文句を言う姿が、どうしようもなく愛しくて俺は早速前言撤回した。

──…こいつ相手だと我慢が出来ない、なんて…俺は思春期のガキか。

「やっぱホテル行くか」

「はい!?」

戸惑う赤根の手を引いて、街中を歩く。
喚く恋人をいつものように言いくるめて、大人しくさせてからホテルへ連れ込んだ。

…この扱い易ささえも愛しく思う俺は、かなり重症だ。



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