小さな王様 (2/3)


つまりはだ。放課後、いつものように副会長達が仕事しに生徒会室に来てみれば、今日一日ずっと生徒会室に一人籠っていた会長がちっちゃくなっていたと。
現実的に有り得なさすぎて混乱してるが、ショタ化萌えだからスルーする。
そして、流石にショタ会長に仕事をさせる訳にも行かず、仕方なく助っ人に俺を呼んだと。

で、だ。今は由紀先輩と俺が向かい合わせに仕事をしてるんだけどー…、

「ねぇ嵐〜、クッキーいる〜?」

「嵐はぁ、僕と遊ぶんだよぉ」

「…仕方ないから、貰ってやるし、遊んでやる」

チラ、と会長席を見れば、ショタ会長に絡みまくる亜紀先輩と副会長。会長は構いたがる二人に偉そうに返しながらもちょっと嬉しそうで。やっぱ子供なんだなぁと思ったり。
…それより、ショタ会長総受け萌え!とか思ったり。

「ぐふふ…ちゅーしながら息子さん触って、何するんだ!と怒るショタ会長に良いこと教えてあげる〜、頂点に立つ男なら知ってなくちゃいけないコトだよぉと使命感的なのを煽って、教えろと命令したショタ会長をぐっちょぐちょのエロエロに…」

「加藤くん?」

三人を見つめながら妄想してる俺に、不意の絶対零度のオーラがぶつけられる。
恐る恐る由紀先輩へ向き直れば綺麗なのに怖いくらいのニッコニコ笑顔でした。
慌てて手元の書類に意識を戻そうとした所で、クン、と由紀先輩の腕が引っ張られる。二人して視線を落とすと、ショタ会長が先輩の腕を掴んでいた。

「おいお前、紅茶いれろ」

上目遣い萌え…!ショタな俺様萌え…!
ぶは、と堪らず鼻血を噴いた俺をシカトした由紀先輩は、やんわりと仕事中ですので、と断る。しかし、由紀先輩の紅茶が気に入ったのか何なのかショタ会長は諦めずに命令した。

プチ、

「…ん?」

…何か切れた音しませんでしたか奥さん。
ショタ会長を見るとみるみる真っ青になるそのプリチーなお顔。
どうしたのかと俺が声を掛けるより早く、会長の口が開いた。


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