×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



宅飲み攻防戦




「ねぇねぇ〜カカシせんせぇ〜」

カカシはしまった、と思った。
けれど後悔とは先には立たないものである。

ローテーブルの向こう側からオレの手を両手でぎゅっ、と握りしめているヒメに思わず頭を抱えたくなる。

ふにゃりとした表情をしている。

「ヒメ酔っ払ってるでしょ…」
「ん〜?酔っ払ってないよ〜」

酔っ払っている本人が酔っ払っていないと言うのは殆どの酔っ払いの言い分だ。
もちろんヒメも例外ではない。ましてや 名前はお酒に弱い。それなのに今日は珍しく呑みたいと言い出した。最初はダメだと制止したものの、上目遣いに「せんせ、だめ?」と聞かれて、ついうっかり少しだけならいいかと許してしまった結果がこれである。

そしてこれも全世界共通だが酔っ払いは厄介である。

「ねえ〜、カカシ先生はいつからあたしのこと好きになったの〜?最初は夕顔さんのこと好きだったくせに〜」
「最初からヒメのこと好きだったよ?夕顔のこと好きだったなんて誰が言ってたの?」

ヒメは「だって、仲良さそうにしゃべってた。」と回らない呂律でくちびるを尖らせている。
「ヒメ、この話しはもうおしまい。」

ヒメに握られていた手をほどいて、両手でヒメのほっぺたをむぎゅ、と挟む。

「あ〜、話をそらした!」

本当に卯月夕顔とはなんでもないただの同僚だった。しかし、今どれだけ力説したところで酔っ払ったヒメに理解してもらえそうにない。口は災いの元と言うし、ここは黙ってニコニコしているのが最善策かと思われたが違ったようだ。

ヒメはカカシの両手に挟まれて潰れたヒヨコみたいなくちびるでぱくぱく不服そうだ。

カカシは少し考えてヒメにちゅっとくちびるを押し当てた。ずるいやり方だと、カカシ自身少し思った。けれどこういうときのヒメにはキスが一番効くとわかっていた。





お酒のせいか妙に夕顔さんとカカシ先生の関係が気になって問い詰めてやろうと思った。どうやら自分は思ったより夕顔さんに嫉妬していたようだ。

たまにはカカシ先生をぎゃふんと言わせてやる!
そう思っていたはずなのに結果はキスで仲直りというか、丸め込まれたというか……多分、後者だと思うけれど。

ちゅっ、とカカシ先生のくちびるが音を立てて離れて、あたしはなんだか物足りない気分だった。けれど、もっとして欲しいのと自分から強請るのは癪だった。それになにより恥ずかしい。

「ちょっと、ヒメ!」

どうもあたしは酔っぱらうといつもよりも強欲になるらしい。夕顔さんのことだってカカシ先生は何とも思っていないことくらい知っていたけれど、それでも気になってしまった。

カカシ先生はあたしのものなんだから。

そんな感情に支配されて、お酒の勢いに任せてカカシ先生をベッドに押し倒す。カカシ先生は少し抵抗して両手をベッドについて上半身を起こした。けれどあたしがカカシ先生のくちびるに自分のくちびるを合わせて、ちゅ、ちゅっと音を立てているうちに大人しくあたしに跨られていた。そのうちにお互いに貪るようにキスをして、来ていた洋服もベッドの下に脱ぎ散らかされた。

「ヒメ大丈夫?」
「大丈夫だもん!」

上半身を起こして心配そうにあたしを見るカカシ先生の上に跨って、カカシ先生のものを優しく手に取ると、自分の股に押し当てた。

もうこれだけで恥ずかしい。

相変わらずカカシ先生は心配そうに目尻を下げている。だけど、揺れる瞳の奥に潜むのは心配だけじゃない、もっと熱くて激しい感情が湛えられているとあたしは気づいていた。

なんだか今になって酔いが醒めてきてしまったような気がして、勢いだけで「今日はあたしが上!」なんて言ってしまったことを後悔した。位置を確認して、そのままゆっくり腰を下ろす。カカシ先生のものが膣内を押し広げて入ってくる感覚にびくっと体を震わせる。ぜんぶ入ると下腹部が少し苦しいような感じがした。正直に言ってここから先はどうしていいかよくわからない。けれどいつもカカシ先生にされていることを思い浮かべて、ゆるゆると腰を動かしてみる。

「ん…っ」

あたしが上になって動くのはやっぱり慣れない。上手くできているかさえわからない。それでもそんなぎこちない動きをしているうちに自分の良いところに擦れて、声が漏れてしまうのが恥ずかしい。自分で動いて感じているなんて変態みたいだ。恥ずかしくていたたまれなくなってカカシ先生の首に腕を回して、顔が見られないようにカカシ先生の胸元にぴったりくっついた。

「ん…っ、ヒメ上手…っ、」
「んぁ…ほ、んとっ…?…っあ、ん!やぁ…だめぇ…!」

褒められたと思ったら急にカカシ先生が下から突き上げてきて、あたしはその刺激に背中を仰け反らせて感じてしまう。

「ごめんね…、積極的なヒメも可愛いけど我慢できなくなっちゃった。」
「あっ…んんっ…!」

カカシ先生があたしの腰に腕を回して、優しくベッドに押し倒される。ごめんね、なんてちょっぴり困った顔をしているけれど、カカシ先生は熱に浮かされて艶っぽく火照ってていた。その表情にあたしは興奮して自分でも膣がきゅっと引き締まるのを感じて恥ずかしくなる。

「やぁ…あっ…あ!」
「ヒメ、もうちょっと足開いて、」

そう言ってカカシ先生はあたしがまだ返事もしていないのにあたしの内腿も押し開いた。あたしは恥ずかしくてぎゅっと力を入れてしまったからカカシ先生は「こーら、邪魔しないの。」なんて言う。そう言いながらちゃっかり奥まで進んできて、ぐりぐりと擦りつけてくるからあたしは堪らない。

「も…やぁ!だめっ…、いっちゃう…!」

快感の波がどんどん大きくなって、飛びそうになる意識を留めようとあたしは必死だった。だけどカカシ先生はまだまだ余裕そう。カカシ先生はいつだってあたしより一枚上手。悔しいあたしはちかちかとせり上がってくる眩暈のような快感に必死に絶えた。