「お前、チョコレート好きだよな」
「うん、食べる?」
「一個」
「300円でいっぱい入ってるやつが好きなんだ〜このザラザラした砂糖の感じが安っぽくてたまらない」
「みょうじならゴディバも食べ放題だろうに」
「あんな宝石みたいなのほいほい食べられないよ」
「へえ」
「御幸はいいよね、バレンタインとかでいっぱいチョコレートもらうし」
「好きじゃねーけどな」
「え?それわざわざ人があげたチョコレート食べてる時に言うこと?」
「たまにちょっと食べるくらいが丁度いいんだよ」
「言うね。モテる男は違うわ〜…チッ」
「舌打ちすんな」
何個もチョコレートを食べてると気分がハイになる。大量生産大量消費バンザイ。
「和食も好きだけど、やっぱりジャンキーなお菓子はやめられないんだよね」
「不健康だな」
「それは分かってるんだけどさあ」
「生活習慣病になるぞ〜」
「ううう、言わないで」
「あと、金持ちなのにジャンクフードが好きなのな。金持ちなのに」
「金持ち金持ち言うな!」
「にしてもジャンクフードか、全然食ってねーな」
「アスリート気取りかよ」
「何だって?」
「いいいひゃい!ひっはるな!ほへん!」
「はっはっは、何だって?」
「ほ、へ、ん!」
「ん?」
「ごめんっつってんだろ、しつけーな!」
頭を振って手を振り払う。痛い。絶対赤くなってる。
「体が資本、だろ?少しはみょうじも気を付けろよ」
「分かってますう」
「分かってねーだろ、アホ面」
「アホ面にしたのは御幸なんだけど!世話焼き!おせっかい!」
「もっかい引っ張られたい?」
「体が資本とか言うなら私の体を大事にしろよ!丁重に扱え!」
「何度触ってもやらけー顔だなー」
「いひゃい!ほへん!」