まっすぐひねくれる | ナノ
「御幸って学ラン似合わなそう」
「いきなり何だよ」
「よかったね、うちがブレザーで」
「つまり、制服姿の俺がかっこいいと言いたいわけだ」
「すごいポジティブシンキング……」
でも実際にそんな御幸に女子は騒いでるわけで、あながち間違ってもいないのかもしれない。
「お前もスカートは似合ってるぜ」
「え、まじ?」
「よかったな、男に生まれなくて」
「あれ?これ褒められてる?なんか微妙な気持ちなんだけど」
「もっとスカート短かくすれば尚いい」
「最終的にセクハラかよ」
「みょうじは顔隠せば超いい女だからな〜」
「顔もそこそこ可愛いでしょうが!」
「?」
「クソ!本当お前なんでモテるの!?」
そ、そこそこ可愛いはちょっと調子に乗った感は否めないか…。別にブスってわけじゃないと信じたいけど、御幸の近くにいるとアラが目立つというか…。
憤りながら、スカートをもう一段折って短くする。
「何で短かくしてんの」
「御幸がその方がいいって言ったんじゃん」
「いやまあそうだけど…」
「どう!?私の美脚!」
「必死だなみょうじ」
「だって顔はどうすることもできないし」
「にしても際どいな〜」
「うん、なんか落ち着かない」
「普段と違うからか?」
「これなら私もモテるかな」
「それは…俺にはなんとも」
「役に立たないメガネだな」
「はっはっは、スカート捲られたい?」
「小学生みたいなこと言わないで」
しばらくはこの長さのままでいようかな。