まっすぐひねくれる | ナノ
「メールとかLINEとかめんどくさいからしないで」
「お前…そんなんだから…いやなんでもない」
「言い淀むなよ!言えよ!言えよコラ!」
「まあでも確かに面倒だよな。練習終わりは疲れてるし」
「文字打つのだるい」
「スタンプは?」
「ああいうチャラチャラしたの嫌い」
「へえ意外。みょうじああいうの好きそう」
「そもそも電子機器で誰かと連絡をとるということが嫌い。手紙のほうがいい」
「限界あるだろ。今時小学生でもスマホもってるぜ」
「生意気ね!ガキは外で落ち葉拾いでもしてればいいのよ!」
「落ち葉拾い……」
こんな精密機器、私には使いこなせない。
「お前全然アプリとか入れてねーのな」
「勝手に見ないで」
「ていうかLINEのこれ475って。既読くらいつけろよ」
「うるっさいなー!嫌いって言ってるじゃん!」
「俺のも無視すんの?」
「御幸はメールとかLINEとか全然してこないでしょ、私もしないし!」
「毎日会ってんのにわざわざ何を連絡することがあるって感じだしなー」
「仲良しかよ、気持ち悪」
「仲良しだろ?」
「気持ち悪!」
「二回も言うなよ」
だって気持ち悪いのだもの。
「直接言うか、電話にしてね。連絡するなら。できれば何もしないでほしいけど」
「ワガママ」
「ワガママじゃない」
「いやワガママだ」
「うるさい!いやなものはいや!ほっとけバーカ!」
「しょーがねー女だなあ」
「うるさいってば!」
「なー、俺のは無視しないで」
「…ウッザ!」
「連絡することなんてねーだろーけど。つーか口が悪りぃ」
「おい、触んな」
「はっはっは」
「あいだだだだだだ!頭割れる!」
頭を鷲掴みにされて、力を入れられる。普通に痛い。