「お前、クリス先輩のこと好きなの」
「…何で倉持君がそれを知ってるの」
「御幸が」
「あのクソ野郎…」
私のトップシークレット容赦無くバラしてんじゃねえか。普通言う?言わなくね?
「で?マジなの」
「マジだよ」
「何で?」
「…みんな聞くねそれ。優しくて、かっこよくて、笑顔がすてきだったから」
「ふーん」
「ビッチとか言ったらさすがに怒るよ」
「は?なんでビッチ?」
「御幸は言ったから」
「…何でお前、クリス先輩なの。御幸じゃなくて」
「どうしてそこで、御幸が出てくるの」
「いや普通に出てくるだろ、つーか何怒ってんだよ」
「分かんないけど、なんか今すごいイライラしてる」
「クリス先輩はレベル高えよ、みょうじには。御幸にしとけ。近場で済ませとけ」
「倉持君!イライラしてるって言ってるよ!私!」
「知らねー」
「もうクリス先輩と御幸を並べるのやめて!うんざりだよ!いいかげんにしろ!」
「キレんな」
「アイタタタタ何でヘッドロックするの!?イタイイタイギブ!ギブ!倉持君ギブ!」
「本当面倒くせーな、お前ら」
「意味がわからない……」
何でヘッドロックかけられた挙句ため息をつかれてるんだ?
「みょうじはほんっっっとーにクリス先輩が好きなのか?」
「え、も、もちろん」
「クリス先輩と手をつなげるか?キスできるか?セックスできるか?」
「ちょちょちょ、待って!すごいこと口走ってるよ!?」
「できるのか、できねえのか」
「……そ、そんな不埒な妄想に先輩を登場させるわけには……」
「できねえんだな」
できません。
「お前は本当にクリス先輩が好きなのか?」
「え……?あの、なんか分かんなくなってきたんだけど……」
「よく考えろ脳筋」
「いや脳筋ではない……」