まっすぐひねくれる | ナノ
「ゾンビと戦う夢見た」
「へえ」
「御幸も出てたよ!ゾンビ役で!」
「嬉しくねえんだけど」
「一瞬の躊躇もなく銃で撃ったよ」
「少しくらい躊躇しろよ……」
「は?殺らなきゃ殺られる、そういう世界だから。何言ってるの?」
「軍人みたいな価値観持ってんだな、お前」
ただただ、死にたくないもん。
「御幸だったから助かったけど、あれ倉持君だったら危なかったな。足速いし」
「ゾンビになっても足とか関係あんの?」
「そりゃあるでしょ。え?ないの?」
「知らねーけど」
「ゾンビ怖いなあ」
「そんな真剣に考えることか?」
「もし本当にバイオハザードしたらどうするの?その時になってから考えたんじゃ遅いよ」
「そうなったら、俺は真っ先に死ぬ。お前がゾンビになってから襲われるのとか嫌だし。しつこそう」
「真っ先にお前をゾンビにしてやる」
「ゾンビになるの前提なのな」
「まあ私体育会系じゃないから……文化系の限界ってあると思う」
「えっ、みょうじめっちゃ強そうだけど。ピアノとか持ち上げそうだけど」
「そのピアノってグランドピアノじゃないよね?」
それ持てたらゴリラだからね。いやゴリラでも持てるか分からないわ。
「まあゾンビが来たら、一緒に逃げてやるよ。ヤバくなったら置いてくけど」
「最悪だよ。そうなったら御幸もゾンビも殺して、私も死ぬ」
「全滅した」