「くーらもーちくーん!」
「……みょうじ」
「ちょっとお願いがあるんですけどお」
「嫌だ」
「ひどい!まだ何も言ってない!」
「どうせめんどくせーことだろ、御幸に頼めよ」
「ヤツはやさしくないから却下」
「知るか」
「倉持君じゃなきゃダメなんです」
「知るか、たまたま目があったからだろ」
「これ職員室に持ってくの、手伝ってください」
「知るかっつってんのにテメエは…」
「こんな重たいもの女子にはもてない」
非力な私がクラスメイト全員分のノートを職員室まで持ってけるわけないだろ。
「クラス最低点のやつへのペナルティだろ、これ」
「くっ…痛いところを突いてきた…」
「バカなみょうじが悪い」
「バカですみませんほんと」
「今回だけだかんな」
「倉持君のそういうとこときめく…」
「ヒャハ、だろ?」
「よっ男前!クローズ!荒くれナイト!」
「おい」
「あーあ、優しくないから倉持に取られんだよ」
「せっかくイケメンなのにもったいねーやつ」
「うるせーよ、モブ諸君」