「あっ」
「どうした」
「タイツ電線…穴空いた…」
「ふうん、どれ」
「ここ」
太ももの横のところ。御幸に見せると、ニヤニヤされた。
「なんかイイ」
「エロい?」
「おう」
「マッキーで塗ろう」
「マジか、お前マジか」
「だって目立つじゃん」
「俺がやってやろうか」
「それセクハラな」
女子トイレトーク
「男子ってなんでこうなんだろう」
「御幸君?」
「うーん、うん」
「みょうじちゃんにはこう、なんか遠慮がないよね」
「体は女の男友達的な接し方してる感あるよね」
「まあみょうじちゃんもみょうじちゃんだけどね〜色気がない」
「え?色気なかったらセクハラされんの?」
「そういうとこ!そういう無頓着なとこがつけこまれるんだよ!」
無頓着……女子力の低さが目に見えて……。
「この乳か!」
女子のトイレでの会話ほどえげつないものはない気がする。お前ら教室では御幸のこと君付けしてるくせに今がっつり呼び捨てじゃねーか。
「私を性的な目で見るのやめてよもー」
「だって、あんな教室で、ねえ?やられたらねえ?」
「しかも付き合ってねえとか、ねえ?」
「ニヤニヤすんな!」
「はあ……」
「何でトイレ行って疲れてんの?大?」
「……はあ」