「やっぱ寒い日はミルクティーに限るね」
「糖分は体を冷やすらしいぜ」
「知ってるけどやめられない。タバコと一緒だよ」
「何その悟り」
甘いものは好きだ。それが冷え性を助長しているとしても、やめられない。
「ココアにしとけば」
「体にいいんだっけ?」
「なんかそんなこと増子さんが言ってた気がする…」
「えー、ココアよりミルクティーのほうが美味しいし、かわいくない?」
「知らねーよ」
「倉持君!どう思う!?」
「知らねーよ!」
「どっちが女子っぽく見えるかな!?」
「どっち飲んでてもみょうじは女子だろ」
「お、男前…ときめく…」
「つーか、俺の意見は?聞かねえの?」
倉持君は私をちゃんと女の子扱いしてくれる。御幸と違って。というか、私を女子扱いしない御幸のほうが希少な存在だ。高校生にもなって小学生みたいなこと言うんだから本当にもう。
「御幸の意見は参考にならない。聞かなくてもわかる」
「何でだよ。モテる男の意見は聞いとくべきだろ」
「御幸がなぜモテるのかわからない…わりと本気で…」
「つーかみょうじ、チョコ食う?」
「は?食う」
「は?お前そーゆーのこいつからしょっちゅうもらってんの?」
「うん?まあ」
「へえ〜〜〜〜」
「ちょ、倉持…」
「なんだかんだ私の冷え性助長させてるよね、御幸」
「へえ〜〜〜〜」
「……」