まっすぐひねくれる | ナノ
「もうすぐ、三年生なんだよね」
「そーだな」
「嫌だねえ」
「何で」
「受験とかあるし、何でもかんでも最後の、ってつくのも寂しい」
「だからこそ燃えるものもあるだろ」
「でも!でも!」
「うるせえよ」
クラス替えをしたら、このクラスの人とも会えなくなるし。私、好きなんだけどなあ、自分のクラス。
「来年は、御幸と違うクラスになる気がする」
「うわ、どうでもいい」
「……どうでもよくない」
「え?」
「何でもねーよメガネ!もみあげ!」
「言っとくけど、メガネももみあげも俺のチャームポイントだからな」
「うわ、どうでもいい」
できれば、御幸とも同じクラスがいい。ムカつくメガネだけど、いないといないで、多分、寂しい。
「クラス替えすんなら、俺は隣のクラスの鈴木さんと同じクラスがいいな〜」
「え、あの、地味で目立たないけど実は美少女の鈴木さん?」
「そう、あの奥ゆかしい感じの」
「へえ」
「興味なさそうだな」
「いや〜超いらない情報だったな〜って思っただけ」
私とはほぼ正反対の女の子を話題に出してきたことに若干イラっとした。当てつけかよ。遠回しに私のことディスってんのかよ。
「何拗ねてんだよ」
「別に拗ねてないんですけどウザいんですけどこっち見ないで欲しいんですけど」
「スゲー拗ねてんじゃねえか」
どうせ私には奥ゆかしさなんてないし!
「うるさいな!鈴木さんと同じクラスになれるといいですね!」
「本当にそう思ってる?」
「思ってない!離れてしまえばいい!」
「そういうの言う時だけ素直なんだよな、みょうじって」
「私はクリス先輩と同じクラスになれないのに、御幸は好みの女の子と同じクラスなんて許せない」
「あ、まだ諦めてねえの?」
「……憧れだもん」
「あっそう」
あっそうってなんだよ。