まっすぐひねくれる | ナノ
さむい。だるい。つらい。
「ひんけつかもしれない」
「なんか舌ったらずだな」
「ゆかがふわふわする」
「保健室行け」
「はこんで、みゆき〜」
「ハイハイ、こんな時だけかわい子ぶらない」
「ほけんいいーん!ほけんいいん、わたしをはこんでー!」
「叫ぶ元気あんなら平気だろ、一人で行け!」
「なんであんたわたしに冷たいの!?こんなにフラフラなのに!」
なんだっけ……昨日のごはんがいけなかったのかな……。いや、昨日食ってないわ練習で。あれ?朝も寝坊して食べてないし……そういやなんか全然食べてない。
「……マジで顔色悪いな、貧血か?」
「だからそういってるじゃん」
「しょーがねーなー」
「はこんでくれるの?たんか?」
「甘えんな、自分で歩け」
「じゃあいらねーよ御幸」
「肩貸してやるから」
「担架持ってこい担架!あとあんま喋らせないで辛いから!」
「急に流暢に喋りだしたな……いいから行くぞ」
「ううう、ゆかが、ゆかが、ふわっふわする」
「おっもいっつーの、しっかり歩け!」
そんなこと言われても体に力が入らないんだもん。御幸に腕をとられて、グダグダ言いながら立ち上がる。
つらい、目眩がする。マジで誰か担架持って来てくんねーかなー。
「みゆき、抱いて」
「うわ〜みょうじちゃんダイタ〜ン」
「抱いて〜抱き上げて〜」
「うんうん、さっさと歩け」
「あ、山中君、私を抱いて?」
「こら、むやみに山中君を誘惑しない。俺がいるだろ?」
「御幸いらねえ。歩きたくねえ」
ちょうど目があった山中君を誘惑してみたけど御幸に邪魔された。
「めんどくさいことに俺を巻き込むなよ……」
「山中君ひどいや」
「御幸も運んでやればいいだろ、周りに見せつけたらいいだろ」
「俺とこいつそういうんじゃねえから」
「私はお姫様抱っこで運んでもらっても構わないけど」
「重いから却下」
「山中君〜〜〜」
「いや、そんな呼ばれても……」
だいたい、女の子にむかって重いとか言うなよ。デリカシー0かよ。
「ほら、行くぞ」
「はあああつらい……」
「保健室までガマンな」
「やまなかくん……」
「おーい隣にいるの俺なんだけど」
「たんか……」
「担架こねーっつってんだろ、しつけーなお前は」
「うあああ」
中途半端に心配してくれるなら、さっさと運んでくれればいいのに。そんなに重いか!?そんなに私重いのか!?