「眠い」
「いつも寝てるじゃねーか」
「授業中だけだよ。御幸と一緒にしないで」
「最悪だわ」
お前も似たようなもんだろ。
「ストレスかな〜…」
「みょうじが?は?」
「御幸は私のことをナメすぎだと思う」
「いや妥当だろ」
「少しは人の言葉を真摯に受けとれよ腐れメガネ」
「うわ、寝不足でカリカリしてる女ほどめんどくせえモンはねえな」
うわ、何それ。カチンときた。
「……ちょっとくらい話聞いてくれてもいいじゃん。そんなんだからアンタそんなんなんだよ」
「話聞いてほしいなら、他当たってくれる?」
「……」
「お前のムダな悩みに時間を費やすほど俺も暇じゃねえから」
「……あっそう、ムダな話を長々としてしまってどうもすみませんでしたね!」
「キレんなよ、ウゼエ」
「キレてねえよ!!!!死ね!!ハゲ!!」
「ハゲてねえだろ!!!」
「将来的にハゲんだよハゲ!!」
「お前、そういうことばっか言ってるからフラれんじゃねーの!?」
「フラ、れてないわクソ!」
「ほぼフラれたようなもんだろ!クリス先輩とお前の従姉妹完全にデキてんだろ!」
「うる、うるっさいな、知ってるよ!」
そんなの、こんな教室のど真ん中で叫ばれなくても知ってるんだよ。
「おい、オメーらいい加減にしろ」
「……倉持」
「言い過ぎだろ」
「……」
「みょうじ泣いてんじゃねーか」
「……」
「御幸」
「……悪い」
正直全然泣いてないけど、倉持君が仲裁に入ってくれて少し落ち着いた。よかった、あの流れだったら言わなくていいことまで言ってたかもしれないし。でも、
「許さないから!!」
「あ、こらみょうじ!テメエ小学生か!」
御幸のメガネに思いっきり指紋をつけた後、勢いよく教室から飛び出す。あんなやつ知らん。きらいだ。
「御幸なんかだいっきらい!!絶交する!!!」