まっすぐひねくれる | ナノ
みょうじの従姉妹が可愛かった。本当に血繋がってんのか?
「うわ、御幸クンだ!初めて見た!イケメンだ!こんにちは」
「ど、どうも……」
「雑誌とかテレビとか、あとあの子のスマホとかでよく見てたけど生で見るとさらにイケメンだわ」
テンションからは血のつながりを感じた。確かにみょうじと似たような雰囲気あるわ。
「あっ!クリス!」
と、思っていたらクリス先輩を見つけたらしく、一目散に走っていってしまった。なかなかに俊敏な動き。
「先輩、お久しぶりです」
「久しぶり!イェーイ!クリスイェーイ!」
「元気そうで何よりです」
「クッ…相変わらずのスルースキル……。…私は元気よ。取り柄だもん」
「知ってます」
「うん」
親しげにクリス先輩と話し出した。えっ、一体どういう関係なんだ……?
「みょうじさんとクリスは付き合っているとよく噂されていた」
「うわっ、哲さん!いつの間に」
「先輩は否定していたし、クリスははぐらかしていたので真相はよく分からんが」
「そ、そうなんですか」
「ちなみに純は完全に黒だと言っていた」
「え〜〜……」
「俺にはよく分からん……」
「……」
だとしたら、みょうじ失恋じゃねーか。しかも相手は身内かよ。あ、哀れな奴……。
「一人で来たんですか?」
「そうよ、うちの従姉妹が一緒に来てくれないから。おかげで3回もナンパされたっつーの」
「大変ですね」
「まあ私、顔は可愛いから。声かけたくなるのも分かる」
「とんだ詐欺です」
「クリスはいつからそんな生意気な口を利くようになったの?ん?」
「はは」
「このやろ!」
「帰りは送っていきます」
「……とーぜん!」
確かに、完全に黒だな。