「従姉妹のおねえちゃんが泊まりに来るんだって」
「へえ」
「どうしよう」
「どうしようって?」
「疲れるんだよね」
悪い人ではないんだけど。
「絶対学校来るよ〜…」
「は?何しに」
「……野球部の大ファンなの」
「へえ」
「前言わなかったっけ?御幸の写真売ってって言われたって」
「あー、あったな、そんなの」
「売ってないよ!」
「そこは別に心配してねーよ」
おねえちゃん嬉々として練習観に来なきゃいいけど……。
「まあOGだから、ほっといても平気なんだけど」
「青道出身?」
「うん、3つ上」
「結構歳近いんだな」
「そうそう、可愛いんだよ。顔は」
「でもみょうじと同じような遺伝子だろ?」
「どういう意味だ?あ?」
「ちょっと!私が来たのに出迎えもないの!?」
「うわっ、おねえちゃんもう来た」
「うわって何」
「ていうか荷物多いよ……何泊する気なの……」
「お父さんはいつまでもいていいって」
「私のお父さんな!ていうか全然帰ってこないんだからお父さんに聞いても意味ないし!」
「細かいことグダグダ言わないでよ!だから彼氏できないんだよ!」
「久しぶりに会ったのに何でまだ彼氏できてないって断定するの!」
「できたの!?」
「できてないけど!」
おねえちゃんと私はテンションが似てるので会話してるとどんどん盛り上がっていってしまって辛い。
「ねえ青道のキャッチャーの写真、売ってって言ったじゃん」
「本人がダメだって」
「え〜〜ちょっとくらいいいじゃん」
「御幸がやだって言ってんだからダメだよ」
「…チッ、イケメンキャッチャーの写真欲しかったな」
「隠し撮りとかやめてね」
「そんな犯罪じみたことしないわよ」
「おねえちゃんならやりかねん」
「失礼な!」
おねえちゃんは美人だ。すごい顔をしても美人だからすごい。
「まあ、どうせ明日学校行くから生で見るけど」
「え〜〜、来るの?」
「やなの!?」
「だって迷惑かけない?野球部の人に」
「あんた私を何だと思ってるの?」
「……」
「大丈夫よ、知り合いいるし。約束してるし」
「……」
「もしかして、妬いてんの?一丁前に?御幸クンか?御幸クンなのか?」
「ちっがう!何で私が妬く必要があるの!」
「お父さんから報告受けてまーす」
「…はっ、まさかあの大会の」
「二人のラブラブな写真は手元にあります!これでもまだしらばっくれるのか!?ああ!?」
「くそ、めんどくさい……!」
「どうやってこんなイケメンを……乳か?乳を使ったのか?」
「ひい、揉まないで!」
「……一体何を食えばこんな胸になるの」
おねえちゃんは貧乳である。私たちは足して二で割れば丁度いいとよく言われる。