「でさあ、その時ね!彼氏が急に抱きしめてきて〜もうバカだよね!」
「はいはいバカだね」
「ちょっと人の彼氏バカとか言わないでくれる!?」
「え、リサちゃんが言ったんじゃん……」
「私はいいの!」
「理不尽だ……」
友達のノロケとか今は聞きたくない。自分の恋愛が一大事なんだっつーの。
「みょうじちゃんも早く彼氏作りなよ〜」
「作れるならとっくに作ってるよ……」
「ちょっ、みょうじちゃん失恋したばっかなんだから、そういうこと言わないであげて!」
「失恋してねーよ!」
「あれ?そうだっけ?」
「勝手に人の恋を終わらせないで!」
「あはは」
笑ってんじゃないぞ!
「みょうじちゃんの恋か〜、御幸氏は応援してくれてんの?」
「あーダメダメ、御幸氏は恋愛に関してポンコツだから、戦力外」
「応援はしてくれてんだ」
「面白がってるだけにも見えるけどね」
「何それつまんな〜い」
「嫉妬とかされてないのかよ〜」
「私は何回その手の話を否定すればいいの?」
「だって、あの御幸一也だよ?女子はおろか男子さえあんまり近付けない御幸一也だよ?」
「イケメンなのに!とっつきにくすぎか!イケメンなのに!」
「御幸への苦情は私じゃなく本人にお願いします」
ただの友達……いや友達よりは親しくないな。何か周りにこの人友達ですって、御幸のこと紹介したくないもん。あいつ性格悪いし。
「でも何だかんだ二人はずっと一緒にいそうだよね」
「あ、分かるかも〜」
「お似合いではないんだけど、なーんかハマるっていうか……」
「もうやめてよその話題!楽しくもなんともない!」
「私たちは楽しい」
「好きな先輩の話してる時よりみょうじちゃんの反応面白いし」
「ウソでしょ!?」
「いやいや、だってあからさまに顔色変わるじゃん、御幸氏の話題」
「そ、それは、だって、違うのに、違うのに……ほら〜すぐそういう顔するじゃん?そういうとこだよ〜そういうとこが嫌なんだよ〜」
「拗ねんなよみょうじちゃん」