まっすぐひねくれる | ナノ
「そこには赤いコートを着た女が……!」
「イヤアアアア!」
「何でここで怖い話すんの、お前ら」
「流れだよ」
「向こうでやれよ……」
「御幸君も混ざる?」
「遠慮しとく」
私の席の周りに集まって怖い話をしていたら、御幸が文句を言ってきた。
「ねえ、次私もう話していい?」
「みょうじちゃんワクワクしすぎ」
「意外とこういうの好きだよね」
「ようやく出す時が来たね…私のとっておき!あ、御幸、聞きたくないなら向こう行ってて」
「ここ俺の席な」
実はオカルト系とか結構好きです。
「これがまた薄暗い道なんですよ……私、嫌だな〜怖いな〜って…」
「淳士かよ」
「黙れ御幸」
「悪い」
「よろしい」
「もーイチャイチャしてないで早く淳士話してよー」
「淳士ちゃん!」
「誰が淳士ちゃんだ、誰が」
友達のエツコちゃんとナナちゃんからのブーイングが飛ぶ。
「えーとどこまで話したっけ?」
「まだ夜道歩いてただけ」


「みょうじの怖い話が頭から離れない」
「ふふふ」
「みょうじっつーか淳士だけど」
「私DVD結構持ってるよ、貸そうか?」
「心からいらねー」
「御幸はホラー苦手?」
「別に」
「何だ、怖かったら面白いのに」
「性格悪りぃな」
「それ、アンタにだけは言われたくない」
「苦手だっつったら責任とってくれんの?」
「そうだね、それもやぶさかではないよ」
「やぶさかじゃないのか」
「責任とって一緒に志村どうぶつ園とか観ます」
「はっはっは、いいなそれ」